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放射能健診100万人署名運動

国と東京電力が、希望する全ての人に放射能健診を行うよう求める運動です。署名を全国で100万筆集めて、国に提出します。
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6/6放射能健診署名15950筆を提出、初めて厚労省と交渉

6月6日、放射能健診を要求する今年初めての署名提出と交渉を参議院会館で、環境省と厚労省を相手に行いました。署名15950筆を提出し、合計で152097筆になりました。署名を送っていただいた皆さん、ありがとうございました。

今回の請願交渉は、初めて厚労省が出席したことに大きな意味があります。福島みずほ参議院議員の事務所に尽力頂いたことと、今回は福島と近隣県の「死産・流産」「乳児死亡」「周産期死亡」のリスクが上昇したことを、ドイツや日本の医師らが厚生労働省のデータを基に分析した資料を示して、甲状腺がん以外の健康被害の事実を問うたことが力になったと思います。

★請願の中で、環境省は、甲状腺がんの問題も出産・乳児のリスクにも自らの判断で回答できず、そのリスク調査の要求には「上に伝える」しか言えませんでした。環境省には放射能の健康対策をする意欲も責任感もないと感じさせる交渉でした。

★環境省は、福島近隣県の病気の調査を「大阪大学の祖父江教授に請け負わせた」旨を答えました。彼は環境省「健康管理の在り方に関する専門家会議」で福島県甲状腺検査の意義を否定する先頭に立った人物。環境省HPを見ると、この調査の目的は、「リスクコミュニケーション」。放射能の健康被害の事実を認める姿勢とは思えません。

★厚労省からは専門官(医師)が出てきて、福島県立医大にはドイツの疫学者らの分析とは違うデータがあり、死産・流産と乳児のリスクは増加していない旨を主張しました。しかし私たちが示したデータの基は厚労省の人口動態調査です。厚労省の専門官もこの分析を放置できず、「関心を持って見ている」と口走りました。健康問題は厚労省が関与せざるを得ない分野です。また原爆被爆者の医療対策を執行するのも厚労省です。ここに新たな交渉窓口が開かれたことは大きな前進です。

交渉の要約は以下の通りです。

【環境省:放射線健康管理参事官室・課長補佐と係員】

1.甲状腺検査、国際環境疫学会ISEEの書簡について

(環境省) 津田教授の論文がISEEの書簡の根拠になっていることは承知している。個別論文に対してのコメントはしない。福島県民健康調査の「中間とりまとめ」は、甲状腺がんの発生は原発事故由来とは考えにくい、としている。

(署名実行委員会) 環境省や福島県民健康調査の検討委員会に、疫学の専門家はいるのか?私が見た限り、福島県民健康調査検討委員会の津金氏くらいだ。彼は福島の甲状腺がんは「多発だ」と言っている。

(環)「発見」と「発生」は違う。津金氏は全国の発生率と比較して数十倍の多発と言っている。それは否定しないが、異常多発とは言っていないはず。

(署) 環境省は「子ども全員を調査して多く発見した」と言いたいのだろうが、2巡目の「本格検査」でも全国の十数倍の多発だ。これは「先行検査」の後の2~3年で新たに発生した症例数、それが十数倍。

(環)「本格調査」のデータ評価は進行中なので、今コメントできない。

(署) 環境省の専門家会議や放射線健康管理参事官室に、疫学の専門家はいるのか?

(環) 環境省の専門家会議の中の疫学の専門家は、把握していない。当室に疫学の専門家として配属された職員はいない。

2.福島と近隣県の死産や乳児死亡について

(環) UNSCEARは、胎児への放射線の影響は考えられないとしている。県民健康調査の妊産婦の調査で、先天異常の発生は全国と比べて少ない。増えていない。

(署) ここにあるドイツの疫学者シュアブ氏の、死産や乳児死亡のデータは知っているか?

(環)私はこのデータは知らなかった。放射線の影響は判らない。UNSCEAR出生前のリスク上昇は「予測できない」としている。今、環境省事業として、全国がん登録データの調査も含めて、疾病罹患率動向調査を行う。その中で周産期死亡の調査はする。

(署) 先天異常は増えていない、との県民健康調査の評価だが、そこに死産・流産の調査は含まれるか? 

(環) 今は、判らない。(注:福島県民健康調査の『妊産婦調査』に、「流産・中絶」という項目があります。)

(署) 環境省は「死産・流産」、「乳児死亡」のリスクを調査するのか? あなた方はこのデータを見てどう思うか?

(環) その2つは調査対象に入っていない。この件については、上に伝える。

(署) いつ、どの場で検討され、結論が出るのか? またはどういう提案方法が可能か?パブリックコメントなどは求めるのか?

(環) 具体的な時期は言えない。疾病罹患動向調査はすでに始まっていて、見直しのタイミングは判らない。具体的な提案プロセスも判らない。

(署) 環境省は死産や乳児死亡について、どう思うか? 「原発が原因ではない」としか言わないが、原因不明と言っておけば何もしないで済むと思っているのか? 冷たいではないか?

3.環境省の近隣県健康調査について

(署) 「疾病罹患動向調査」は誰がするのか?いつ報告が出るのか?

(環) 年度内にまとめる予定。内容はがん、循環器疾病、周産期異常の情報など。やるのは環境省事業の公募に応募した研究者。統計を用いた大災害における研究。

(署) 代表者は誰ですか? 採用の基準は何ですか?

(環) 大阪大学の祖父江教授。選考基準は環境省のwebに掲載。

【厚生労働省:母子保健課専門官、健康局総務課課長補佐(原爆被爆者担当)ら】

1.死産・流産、乳児死亡について

(厚生労働省) 初めて見る資料で関心を持って見ているが、原発事故後に心配されていることは承知。流産率はなかなかつかめない。先天異常に追加して福島県医大で、中絶や自然流産が増えていないか全数調査をしている。その中では「急増した」という事実は見えない。(「平成26年度モニタリング解析」)

(署) 厚労省の人口動態調査とは別のデータがあると言うことだな。今日示したシュアブ氏やコルブレイン氏の分析については、どう思うか? いずれも厚労省の公式データだ。

(厚) 関心を持って見た。死産・流産のデータ分析は、流産のデータが掴みにくい。シュアブ氏のデータでは流産の動向はわからない。乳児死亡の分析では「(リスクの)急上昇」とは言えない。福島では1000人当たり1~3人の範囲にあり誤差の範囲。引き続きモニタリングしていく。

2.原爆被爆者援護対策の援用

(厚) 原爆被爆者対策は他の戦争被害とは異なる被害であり、国の責任において援護する。原発被災者の対策は環境省の担当。被曝手帳は18.4万人に交付。うち8800人が原爆症認定者として医療給付の対象。

(署) 厚労省のHPでは医療給付の条件の1つに、爆心地から3.2キロとか3.5キロという被曝地点の距離があり、これはほぼ1mSvの被曝量に相当する。「年間1mSv」ではない。さらに広範な被爆者に健康手帳を交付し、年2回の健康診断を無料で行っている。こんな健康対策が被曝量1mSv以下の人にもとられてきた。福島原発被害者の対策とは格段の差だ。
被曝後50年近く経って1mSvの被曝地域外の被爆者にも病気が出てきて、裁判で放射線起因と認定される事例が多発。環境省に何かアドバイスはないか? 

(厚) 誤解がないように説明するが・・・・(原爆症認定制度と裁判の説明をした)。

(署) それは判ったが、同じ政府内で対策がまるで違う。環境省にアドバイスはないか? 
 
ここで時間切れ。

厚労省が自らのデータの意義を薄めるために福島県立医大のデータ(県民健康調査)を持ち出したことは驚きです。そこで改めて県民健康調査「妊産婦調査」の部分を見ると、調査結果は年度毎にまとめられており、月毎の人口動態調査よりも大雑把です。これなら微妙な統計上の変動を検出せずに済みます。あるいは厚労省は福島県立医大のより詳しいデータを持っているのでしょうか? 次の交渉のテーマです。(以上)

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