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放射能健診100万人署名運動

国と東京電力が、希望する全ての人に放射能健診を行うよう求める運動です。署名を全国で100万筆集めて、国に提出します。
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 11月12日、放射能健診署名を環境省に提出し、環境省、厚労省などに請願交渉を行いました。今回も福島みずほ議員事務所にご尽力いただきました。 放射能健診署名を新たに3018筆提出し、合計167313筆になりました。


 今回の要求と交渉内容は概ね以下の通りです。


【環境省】


 福島県民健康調査・甲状腺検査(2巡目)の結果、新たに子ども、若者に71人の甲状腺がん患者が確認されたことをふまえ、福島県と周辺の都県で甲状腺がん検査「中間とりまとめ」の「原発事故の影響とは考えにくい」旨の見解を見直すよう求めました。また福島県と近隣都県で甲状腺検査を行うよう求めました。環境省の返事は、

・ 2巡目の甲状腺がん検査の結果の評価と、環境省の2014年「中間とりまとめ」の見直しを求めましたが、環境省は「福島県甲状腺部会の検討を見守る。」「甲状腺部会の結論を見て、中間とりまとめの見直しを判断する」の回答を繰り返すのみ。我々から、「福島県は中間とりまとめの見直しはいつになるかわからない、と表明している」 と指摘しても、「福島県が甲状腺部会で詳細に検討している」と福島県に押し付けて逃げました。

・ 人権理事会報告官の声明(10月25日)について、環境省は回答を拒否。代わりに内閣府が、「20mSvに引き上げたというのは事実誤認。現存被曝状況の中で・・・・・。20mSvは喫煙よりリスクは小さいと判断。」「1mSvに向けて個人線量計や除染、リスクコミニュケーションを続ける」と答弁。我々は「環境省は技術的な関与、アドバイスをした責任があるだろう」と問しました。内閣府が環境省の関与を認めたが、環境省職員はこの点を知らない様子で答えられず。

・ 避難区域のモニタリングポスト空間線量の日々の定期変動について、原子力規制庁が「大幅な変動とは思わない」と繰り返し平行線。この点では我々が新たな資料を規制庁に渡して検討を求めることにしました。


【厚労省】

周産期死亡の増加の対策を求め、議論のために母子保健課内の専門職員の出席を予め求めていました。また今回新たに「全国がん統計」(2014年)が公表されたので、がん罹患が増えているかもしれない、との危惧を伝え、見解を求めました。

・ ところが厚労省は今回も事務官と筆記係のみ出席させ、「周産期死亡にはバラツキが大きいので注意を要する。」「周産期死亡は、環境省が研究者に委託した調査を注視している」と答えた後は実質的な議論を拒絶。 私たちが環境省の委託研究のごまかしの方法(調査人数を減らす等)を指摘して、どっちがより正確か?としつこく追及すると、ようやく「一般論で、バラツキを小さくするためにサンプル数を増やすことは統計学の方法」と認めましたが、後は「環境省に任せている」旨を10回以上繰り返すばかりでした。

・ 事前の要請書で、全国がん統計の罹患率の評価を求めていましたが、これに関わる部局の出席を拒否(「環境省の担当である」)。交渉の場で私たちは、厚労省のどこががん統計の担当部局かと問い、総務課職員が「がん担当はいろいろあるが、統計は医政局医療経営支援課」と答えました。

  また「WHOが横浜市医大に委託調査している先天性異常出産のデータを厚労省は共有しているか?」と問い、「調べる」との回答でした。

・ 原爆被爆者援護法の制度を参考にして健康診断、医療補償、健康手帳の交付を求めました。原爆被爆者の健康診断の予算は年間24億円。オスプレイ1機減らせば4年分の健診費用になる、と訴えました。


【まとめ】

①甲状腺がん(2巡目検査)の結果は否定できないがん多発を示すために、環境省は一切の具体的なコメントを拒絶。また厚労省も周産期死亡の評価で具体的なコメント・討論を避け、専門官の出席を拒否し続けました。交渉としては厳しいが、国が隠したい事実を追及し続けて来たことの反映です。

②甲状腺以外のがん多発の懸念や空間線量変動など、新たな事項を交渉テーマに入れました。これらは医師・専門家とともに協議して、争点として今後具体化します。

③国の回答のひどさを問題化するためにも、議員事務所を通じて質問状を提出し、文書回答を求めることを、時間の交渉までに実行したい。(彼らが回答を拒絶したコメントなど)


異常な多発であることが一層明確に。
【福島県甲状腺検査(2巡目)

上記の11月12日の環境省らへの請願では、国側が福島原発事故以後の健康被害を否定できなくなり、交渉で回答自体を拒否する姿がはっきり現れました。10月には国連人権理事会報告官が名指しで、「勧告を無視している」との言葉を使って日本政府の20mSv避難区域解除を批判しました。先日、トルコへの原発輸出が中止されることが報道されました。政府の原発政策は大きな壁に直面しています。

ここでは11月に行った環境省らとの交渉で指摘した、健康被害の新たな事実と、国・福島県の事実隠しの方法を整理します。


【甲状腺がん】

 表は、岡山大・津田敏秀教授の分析を参考にした福島県の県民健康調査・甲状腺検査の2巡目検査の結果です。2巡目検査の結果が特に重要な理由は、既に1巡目の「先行検査」で一旦がん罹患者は全て発見され、2巡目検査で発見されたがんは先行検査の後に発生したがんである、と見なされるからです。


 2巡目検査の間に71人の子ども・青年にがんが発生しました。福島県内の地域ごとにまとめると、全国平均の15~40倍の高率です。また2巡目検査の重大な特徴は、地域差がはっきり現れたことです。表の「オッヅ比」の項に、福島県南東地域の甲状腺がん発見率を1.00として、各地の発生率を表示しました。避難区域などを含む「近距離地域」の日が3.46倍、福島市を含む「中通り北」や二本松市・本宮市を含む「中通り・中央」、郡山市、いわき市でオッヅ比が1を超え、原発に近い地域や初期に大量のプルームが通過した地域での発生率がより高いことが示されます。

次に、3巡目の甲状腺検査に関わる問題を指摘します。3巡目検査で新たにがん罹患を発

見された方は今年6月末時点で15人です。2巡目までの検査結果と比べてかなり少なく、これが事実なら少し安心できるのですが、大きな疑問があります。がんを直接発見する細胞診の受診者を意図的に減らしているのではないか?


 今までに何度も指摘したように、B判定など精密検査(二次検査)受診者のうちで細胞診の受診率は、以下の世に毎回大幅に減ってきました。

 細胞診の受診率 【1巡目】40%→ 【2巡目】15%→ 【3巡目】6%      


 福島県はこの理由を、①「前回までに細胞診を受けて、がんでなかった人には、細胞診をしない。」 ②「検査の経験値が向上して、エコー検査の段階でより正確に細胞診の受診者を抽出できる」旨を答えました。しかしこれには偽り、または重大な問題があります。
 

   → 福島県民健康調査の公表データを見ると、1巡目以降の甲状腺検査の精密検査(二次検査)で「経過観察」とされた後に3巡目検査中の20186月末までに細胞診を受けてない人は少なくとも1282人。またこの方々の中で3巡目検査を受けなかった人と、3巡目検査を受けて「経過観察」とされても細胞診を受けられなかった人とは、あわせて少なくとも886人いらっしゃいます。問題は「経過観察」中の方々の中から少なくとも7人に甲状腺がんが発症していたことで、10万人あたり500人以上の大変な高率です。この方々への診察を意図的に抑えているのか? あるいは福島県が公表するがん患者数から除外する目的で「経過観察」にしているか? いずれにしても県民を健康を二の次にする行為です。

   → 3巡目までの細胞診受診者のうち「がんまたはがん疑い」と診断された人の割合は

  【1巡目】21%→ 【2巡目】34%→ 【3巡目】33%
 

で、確かに2巡目には精度が上がりましたが、3巡目では変わりません。「経験値が上がった」とは言えないはずです。

 結局、細胞診の実施数を減らして甲状腺がんの発見数を減らすことが目的ではないか、との大きな疑問が残ります。細胞診を制限することはがんの発見も遅らせかねない、重大な問題です。

 

日本政府の年間20mSvで帰還強制を名指しで批判

【国連人権理事会特別報告者の声明】


 10月25日に公表された国連人権理事会特別報告者の声明とその際の記者会見で、報告者トゥンジャク氏は日本政府の避難区域への帰還政策について、「避難指示の解除は、原発事故で生活を脅かされてきた人々に新た大きな圧迫を与えている。・・・多くの人々が事故以前の放射線の規制基準を超える区域への帰還を強要されたと感じている。」「残念だが、日本政府は国連人権調査官の、放射線規制レベルを事故前の水準に戻すべきとの勧告をほぼ無視しているように見える」と名指しで批判しました。特に
声明と報告書は、20mSv /hを基準とした避難指示解除が、特に子どもと妊娠の可能性がある女性にとって危険だと批判しました。


 政府は、個人線量計や除染、リスクコミニュケーションで被曝線量を減らしている旨を主張しますが、健康診断や避難用住宅の支援を拒絶した対応は、今後一層、世界の批判に曝されます。

【人権理事会特別報告者の声明】

 Baskut Tuncak,氏の人権理事会への報告書より引用【20181026日】

 

54.段落) 原子力事故後の数年間、福島の復興事業の全面的な進行にともない、大半の避難区域で避難指示の解除が実行された。20173月には政府の避難指示区域外からの自主避難者への住宅支援が打ち切られた。

55.段落) 原子力事故の後、日本は福島住民の放射線被曝量の許容水準を年間1mSvから20Svに引き上げた。人権理事会の定期審査は、日本政府が被曝許容水準を福島事故以前の水準に戻すよう勧告した。特別報告者は日本政府に、復興に携わる労働者の問題と共に、子どもと妊娠可能年代の女性を含む住民が年間被曝線量が1mSvを超える地域に帰還する際に直面する状況について、注意するよう促した。最近、復興作業の労働者の肺がん死は放射線被曝に起因すると認められた。

註)原発事故の復旧作業の労働者のうち6人に、放射線の影響でがんを発症したとして労働災害が認められました。3人が白血病、2人が甲状腺がん、1人は肺がんでした。

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 5月11日、福島県の県民健康調査課・放射線監視室に要請書を提出し、協議しました。

 福島県とも話し合いは3年ぶり。福島県の出席者は県民健康調査課と放射線監視室から2人ずつ。私たちも4人で、飯舘村会議員の佐藤八郎さんと高橋和幸さんも参加し、村民の声を伝えました。

 要請内容は、①福島県が、福島原発から今もCsが放出されている事を認め、避難指示解除を中止するよう国に要求すること。②土壌の放射能濃度の測定点を増やすこと。③成人を対象とする「健康診査」に甲状腺検査と心電図検査を上乗せすること。④「甲状腺検査」の対象を全県民に広げること。

【協議の要約】

★県の回答は、①は「私たちの部署の担当でないので、伝えておく。」

 ②では、私たちから、浪江町や飯舘村の空間線量が毎日周期的に大幅に変動している事実(浪江町昼曽根で線量率が1日に0.5μSv/hも変動)を示し「この原因は何か?」と見解を問うと、「わからない。検討する」との返答。またCs降下物の測定地点を減らしたことについて、
(放射線監視室)大気中の浮遊物調査地点は減らしていない。その数値が「ND」ばかりだという指摘があり、分析方法を変えて検出下限値を小さくした。

(署名実行委員会)それはいつからか?

(放射線監視室)今年の4月から。(まだ公表されていません。)

 ★飯館村議の方々は、飯舘村や県内の実態を説明。

(佐藤村議)甲状腺がんが会津竹田病院で3倍に、白内障は郡山病院で2倍に増えた。ロナルドレーガン兵士の健康被害を見れば、放射能の影響は現れている。除染で線量が下がることはない。私の自宅の中は雨どいで6μSv/h、室内は0.6μSv/h。部屋の中は除染してくれない。

(署名実行委員会)Csが今も漏れているという認識はあるか?

(放)ゼロではない。

(署)土壌・降下物・浮遊物調査を事故直後と同じ程度に実施して欲しい。二本松市や本宮市などホットスポットがある市の放射線は1地点で代表できない。

(放)今もモニタリングポストを増やして(!?)監視は強化している。十分な量だ。

(署)強化されているとは思えない。もっと危機感を持ってもらいたい。

(高橋村議)郡山では1μSv/h以上の所もある。把握しているか?((放)していない。)
モニタリングポスト撤去とか「0.23μSv/hを見直す」とか、東京五輪のために臭い物にフタの流れだ。県立医大のある医師は「甲状腺がんと放射線は・・・・」と問いかけると途中で遮って「ありません」と言い切る。そんな医師に任せておいて良いのか?

(署)次には線量グラフに対するコメントを求めます。

★③④について、県民健康調査課の回答は今までの見解と同じ。

(県民健康調査課)甲状腺検査は縮小するという議論もあったが、今のやり方を継続する。検査のあり方の議論はある。

(署)エコー検査は続けるのか?

(健康調査課)続ける。

(高橋)本宮市、郡山市などで慢性湿疹とか、甲状腺以外の病気が増えている。

(署)甲状腺検査の「中間とりまとめ」は、2巡目検査の分でもまとめるのか?

(健)その方向。ただし2巡目でするか3巡目検査まで待つのかは、わからない。

(署)それが問題だ、問題の先延ばしでしかない。

(佐藤)県民と健康調査の検討委員会が話す場はないのか?村民が東電に治療費を請求するための診断書を3万円かけて作ったが、東電は医療費の賠償を認めない。

 協議内容で大きな変化はありませんでしたが、3年ぶりの協議の場を作ったことと、空間線量の日変動の問題で放射線監視室に「宿題」を持ちかえらせたことが少しの成果でした。また飯舘村議が2名参加して、県民の気持ちを代弁して伝えたことも良かったです。私たちも署名とアンケートで集めた県民の健康不安の声を伝えました。

 この後、福島駅前で放射能健診署名&健康アンケートを取り組み、翌日も「ガマ人間あらわる」の福島市公演の宣伝と一緒に取り組みました。署名が2日間で190筆、アンケートが30枚。その中で健康被害や不安の声を聞きました。

・原発事故直後に子どもの尿からセシウムが出ていた。結婚させられるか心配。

・子どもが甲状腺検査で「経過観察」とされた。

 他にも、事故後に「肝機能障害」に罹った若い人や、鼻血を経験した人、「事故の後1度、体の放射能を測ったけど、その後は何もしてない。内部被曝の検査がない」と話す人など、いろいろな方から意見・要求を聞きました。これも次の交渉に活かします。

韓国・月城原発の地元で反原発運動と交流しました(関西事務局秋野)

 5月3日-6日、東アジアの平和のためのZENKO日韓連帯ツアーに参加して、朝鮮半島東部の月城原発を間近に見、その近くの都市・慶州で反原発運動の交流をしました。

密陽(ミリャン)ボラ村で超高圧送電塔の現地視察(5月4日)

韓国・密陽の高圧電線塔(5/4)


 新古里原発からの送電塔を作る話が持ちあがり、2005年から13年間も住民は闘っている。765キロボルトは世界で最も高電圧で、高さも40階建のビルに相当する。その電圧は送電塔の10m以内に近づけば人が死ぬほど。

 農家の76歳のイ・チウさんが抗議の焼身自殺をした。その時に履いていた白いゴム靴の焼けただれた跡が現場に残っている。

 真っ直ぐに送電塔を引くと、15年前の密陽市長の親戚の家の近くを通るので、そこを迂回するように、この地域に送電塔が引かれる計画となった。「南北首脳会談のように韓日で手を携えれば原発はなくせる。」「人が生きていく上で最も重要なものは、安全。」密陽の闘いで765キロボルトの送電塔は今後作られなくなった。

慶州駅前からのデモに参加

 蔚山と慶州の脱核(脱原発)運動をしている市民との日韓連帯。慶州は奈良や京都のように歴史ある街だが、全国の核廃棄物施設が59%も集中。

 韓国の原発は現在24基あり、これが28基まで増える予定。東海岸に集中しているため事故が起きたら日本が被害にあう。そのため脱核には日韓の連帯が必要である。原発銀座から30km以内に130万人が居住している。慶州の課題として次の5つが提起された。

韓国の東南海岸には原発が集中


①老朽化した月城(ウォルソン)原発1号機の廃炉に続き、他の原発を廃炉に。

②地震の危険性。韓国政府は大きな地震は来ないと言うが、最近地震が多発している。

③核廃棄物処理の問題。月城原発3、4号機の予定地に核廃棄物処理場がつくられようとしている。

④中間貯蔵施設建設阻止。使用済核燃料の50%以上が慶州に保管されている。これ以上、中間貯蔵建設を建設しないように要求している。

⑤移住の問題。住民は、2014年8月から移住対策要求の座り込みをしている。移住対策法案が2016年11月に提出されたが成立はしていない。

 月城原発の近くが最もトリチウムの値が高い。また住民の尿検査も原発に近い住民の方からトリチウムが検出されるなど被ばくは今も深刻な問題である。慶州では「脱核慶州市民連帯」という団体を結成し、毎週木曜の脱核デモや電力会社前での中間貯蔵施設建設反対の集会などを行っている。

月城原発の反原発テント村で、放射能被曝の原告と交流(5月5日)

 月城(ウルソン)原発近くの「エナジーファーム」内に反原発のテントが設置されている。今日で1350日目。テント村の中で、月城原発近くの住民ファン・ブンヒさん(女性)とキム・ジンソンさん(男性)に話を聞く。

韓国・月城原発監視テントで交流(5/5)


 ファンさんは3年ほどこのテントで活動している。電力会社は事故が起きれば被曝の可能性があると言うが、山も空気も食べ物も汚染され日常的に被ばくをしている。住民の尿からはトリチウムが検出。志賀の原発に近いほど高濃度。

 ファンさんたち住民は原発が稼働する40年間被ばくし続けてきた。また土地を売って移住しようにも原発の近くの土地など買い手がつかない。事実上の収容所だ。政府や電力会社が原発のおかげで発展したのであれば、自分たちの土地を国が買い取り、移住させるよう要望している。
月城原発は周囲914mが制限区域となっているが、原発メーカーのカナダの基準が914mだからそう定めただけで、何の根拠もない。この地域で92人の甲状腺がんを発症した人が電力会社に訴訟を起こしている。また原発から10km以内に5年以上暮らして甲状腺がんの手術をした人に集団訴訟の募集をしたところ、全国で620人が立ち上がった。

 日本の安倍政権は原発を推進している。韓国では同じく推進していた朴槿恵政権を市民が「ろうそく革命」で退陣させた。日韓が連帯して核のない社会を作ろう、と話された。

 海岸に出ると600mの距離に月城原発が見える。制限区域であるにも関わらずキャンピングカーが海岸横の駐車場にずらりと並び、家族連れや浜辺で水遊びや釣りをしている人の姿が。立ち入り制限されないのは、原発と共存できるというイメージを作りたいため。しかしこの海の海女の1/3の12名は甲状腺がんの症状が出ている。済州島の海女が健康であるのと比べると、汚染水など放射能の影響は明らかだ。

韓国・月城原発 格納容器の真近までレジャー客が行く


【感想】韓国の食料の放射能規制は日本の基準に従っている。日本の基準が厳しくなれば韓国の基準も厳しくなる。日本ではあれだけの事故が起きたのに、その被害が正確に発信されていないのではないか、と問題提起された。積極的に日本から発信することで、まだ事故の起きていない韓国の原発をなくすことにつながる。韓国の原発は現在24基あり、これが28基まで増える予定で、東海岸に集中しているため事故が起きたら日本が被害にあう。だから脱核(脱原発)には日韓の連帯が必要だと痛切に感じた。(秋野)

 昨年12月18日、環境省・厚労省・原子力規制委員会と交渉、および署名提出を行いました。署名は2894筆(累計164295)になりました。交渉の要求は、(1)人口動態統計に基づく周産期死亡率の調査、(2)避難区域解除に反対すること(以上、厚労省母子保健課)、(3)東京都内の土壌調査、(4)原爆被爆者援護法に準ずる健診制度(以上、環境省)、です。

 前回7月の交渉では厚労省は自らの責任を否定できず、周産期死亡率の調査を行うと回答しましたが、今回は態度が硬く、「周産期死亡率にバラツキがあることはわかった。後は環境省の仕事」と何も答えない官僚答弁に終始しました。また環境省は、私たちが要求してきた周産期死亡率の問題に新たな反論材料として、最近公開された国連科学委員会(UNSCEAR)の2017年白書に「周産期死亡率の上昇を指摘する論文には弱点がある。また、被曝量との因果関係を指摘するものではない」とあることを持ち出しました。この問題が世界的な影響を持つとともに、この点が今後の交渉の争点になると思いました。福島みずほ議員も交渉に参加し、今後も交渉を継続する事を確認しました。

 詳しい内容は以下の、参加した方の感想と報告をご覧ください。

【政府交渉に参加して】小張佐恵子さん(茨城県)
 
 12月18日に参議院議員会館で開催された健康診断要請などの政府交渉に参加してきました。

 この交渉は、すべての国民に対する放射能健康診断を求める100万人署名実行委員会の呼びかけによるものでした。

 当日は環境省・厚労省(母子保健課)・原子力規制庁(環境監視課)の職員7名が出席し、請願側は放射能健診署名実行委員会20人と、私たち「福島と全国のつどい」からの参加が茨城・長野・愛知県より4名、福島みずほさんも出席され、計25名でした。

 交渉は既に10回以上になるとのことで、事務局の小山さんが代表でお話しされました。年に3~4回署名提出と交渉するほか、福島での駅前アンケートの実施や対話、聞き取りによる実態調査、被災者を大阪へ招いての報告会開催など粘り強い活動が大変すばらしいです。希望するすべての市民に放射能健康診断を求める署名活動は、本当に重要で必要な運動だと思います。

 実行委員会のチラシによると、過労死遺族の会は50万筆の署名を集めて過労死防止対策推進法を2016年に成立させたそうで、特に期限を切らず100万筆を目指しています。この日は署名を2894筆を提出され、累計で164295筆となったそうです。

 前回の交渉で、福島と近隣県での胎児・乳児の死亡率上昇への対策を厚労省・母子保健課が独自に人口動態統計を見直す事を要求し、「福島原発のことは環境省の仕事」と言わせず、人口動態統計を自ら検討する旨の約束をしたそうです。今回はこの問題で厚労省の回答を求めましたが、「環境省の研究を注視する」の回答を繰り返すばかりで、のらりクラリ、さっぱり要領を得ません。

 環境省も「福島近隣県の疾病の委託研究(H29年度にまとまる)を見てから判断」と、今は何もしない態度表明を繰り返し官僚答弁に終始して、国民の痛みに対する無関心には驚くべきものがありました。

 環境省が昨年8月に発表した「福島県内外での研究疾病罹患動向の把握に関する調査研究」(平成28年度版)は、福島と近隣県での周産期の死亡率の上昇を否定しており、答弁はそれに沿ったものです。

 仕事をする気が無い、あるいは判っていて隠蔽しているというのが実態だと思いました。チェルノブイリのかけはしの野呂美加さんは「3・11後、厚生省は隠遁生活に入った」と表現していましたが、まったくです。                                                            

 私がこの交渉に参加することになったのは、周産期死亡率等を研究している菊池栄さんという方から、富岡町の木田節子さんに引き合わせていただきたいので、一緒に来て欲しいと言う依頼があったからです。菊地さんは、11月初旬に開催された内部被曝報告集会での報告で周産期死亡率について、「近年、驚くべきことに福島県だけデータを採っていない」と指摘されて、「かろうじて得られる数字から見る増加率も目立ったものではない」と言われました。とは言っても、増加は否定出来ません。

 集会で私は木田さんと木田さんの娘さんが経験した出来事を話しました。

 稽留流産との診断で強要された中絶という辛い出来事があり、しかも仲の良い4人の女性がほとんど同時期に同じ経験をしたのです。偶然と言うにはあまりにも不自然であり、しかも手術で朦朧とする最中に、その胎児の細胞を「福島医大に送る」ことを受け入れさせられたのです。

 この出来事の裏側には、障害児の出生や流産を隠し、阻みたいと言う暗い意図が透けて見えると私たちには思えます。「あらゆる数字が操作されているのではないか?」と。 そんな経緯から、参加した交渉でした。

 血の通わない無機質な官僚の答弁を聞いているうちに怒りが湧いてきて、ここに福島の避難者が来ているので、是非生の声、話を聞いてもらいたいと、木田さんに発言してもらうことになりました。木田さんが語り掛ける声に、会場はシーンと静まり返り、皆さん息を呑んで耳を傾けました。

 木田さんの話は、息子さんが子供の頃に悪性リンパ腫に罹患して長い闘病生活の末に生還したものの、周りに子供の白血病が多発していた話から始まり、娘さんが受けた中絶手術が本当に必要なものだったのかどうか?いまだに納得できず、どんなにか心を痛めているかを切々と訴えました。

 その他、福島で現在起きていること・・・・。知人のお連合いが妊娠6カ月で堕胎させられた胎児には片手片足が無かったこと。多指の出産などが散見されること。ガンや心臓疾患など病気の多発等も含めて約20分間くらい話されました。職員は、無表情にただ黙って聞いていました。

 さらに交渉で実行委員会が、東京・関東も継続して放射能汚染されており、決して収束しておらず状況は変わっていないことを指摘されましたが、環境省は「承知している」-つまり判っていると述べました。

 東京都内でセシウム降下量が減るどころか増えており、季節変動が大きいことを示し、国により詳しい土壌調査を要求しました。

 原子力規制庁は、都道府県に委託して土壌調査をしていますが、5箇所と極めて少なく、年に1回しか測定していません。彼らは「測定回数を見直す余地はある」と答えました。下の図は新宿・東京健康安全研究センターによるセシウム137降下量の調査。ここ数年でちっとも減っていないことが見て取れる。

 そして最後に、原爆被爆者援護法の健康診断制度に準じて「希望するすべての市民に放射能健康診断調査を実施すること」を要求しました。被爆者援護法は生涯1mSv以下の被爆者にも健康診断を国が年2回行う事を定めているのに、福島原発事故の被災者に同様の健康対策がとられていないことの矛盾と不条理を追及しました。

 この視点はとても重要だと感じました。原爆被爆者援護法はあらゆる病気が被曝によって引き起こされることを認めているのです。

 福島瑞穂議員は最初から最後まで参加して力強く発言してくださり、原子力規制庁に全国の土壌調査の結果のデータ提出を求めてくださいました。

 これからも話し合いを続ける事が表明され、3時から始まった交渉は5時過ぎに終わりました。

 その後、菊地さんと木田さんと小張、そして実行委員会事務局の小山さんと4人で地下のカフェスペースで7時まで話をしました。

 木田さんは、反原発運動で知り合った福井の原発立地地域の若い男性から、「自分の周りに白血病になる人がたくさんいたことが、どんなに異常な事態だったのか!東京で仕事をして初めてわかった」と聞いたことで、「その時初めて、息子の病気が通常運転中の原発から漏れ出た放射能の所為によるものかもしれないと知り、大きな衝撃を受けた」と、この集会後の語らいの中で話されました。
話が弾んで立ち話を続ける菊池さんと木田さんを残し、高速バスで戻るために東京駅に向かう大阪から来られた小山さんと別れ、私もこの署名活動に参加しなければと思う気持ちを抱えながら、茨城への帰路につきました。                                                       

 皆様も署名にぜひ参加していただきたいと思います。 交渉の様子はこちら(動画)。

【2017年12月福島県民健康調査の「甲状腺検査」結果について】

 福島県が昨年末に公表した子どもの甲状腺検査の結果では、新たな甲状腺がんの患者はいませんでした。

 一方で3巡目の甲状腺検査の進み方が遅いことが気になります。「平成28年度検査実施市町村」では3巡目検査が始まってから1年半近く経ちますが、受診率が63%です。子どもたちが進学・就職すると検査を受けにくくなるのか、18歳以上の受診率が12%以下です。

 もっと気になるのが、二次検査でいわゆる「通常診療など」と判定された人たちのうちで細胞診を受けた人の割合が5%で、とても少ないことです。

 この傾向は回を重ねるごとに強まっています。一巡目検査では40%あった細胞診の受診率は、二巡目検査で15%に、3巡目検査はまだ途中ですが5%です。細胞診を実施する基準が変わってきたのか? 甲状腺検査結果などを評価する検討委員会の議事録を読んでも、この点の具体的な質問と説明はありません。

 しかし二巡目検査が行われていた時期に、甲状腺検査に対して「過剰診断だ」という難癖が、主に部外者である「専門家」から加えられ、それが影響し、あるいはそれを利用して、福島県立医大が診断の基準を実質的に高くしたのではないか、と疑いを持ちます。

 この点も福島県への申し入れの中で明らかにしたい点です。

★日時:7月28日(金)14時~ 
(13:30に参議院会館ロビーに集合してください。)

★場所:参議院会館B104号室
(東京メトロ有楽町線/半蔵門線/南北線「永田町」1番出口よりすぐ。
または丸の内線/千代田線「国会議事堂前」1番出口から5分)

★請願内容:
【厚労省】 福島県と近隣都県の胎児・乳児の死亡率増加について。/除染作業に係わる放射線障害防止規則(「除染電離即」)の運用と監督について。

【環境省】 放射能健診署名提出、および福島県民健康調査の甲状腺検査の統計に不備があることがわかったことに関連して、「専門家会議中間とりまとめ」の見直しについて。
 
 7月28日に、放射能健診要求署名を提出し、あわせて厚生労働省・環境省との交渉を行います。厚生労働省とは3回目の交渉です。

 3月に厚生労働省と2回目の交渉を行いました。この時の主要テーマは「胎児・乳児の死亡率の増加」を指摘する論文を提示して厚労省【母子保健課】に見解を求め、また年20mSv以下での避難解除は乳幼児の健康に悪影響があるので、「厚労省から避難解除に異議を表明するべきだ」と求めました。
 
 これに対して厚労省は、『持ち帰り検討する』旨を答えたので、今回は先ずこの点の回答を求めます。

 また疫学専門誌に掲載された胎児・乳児の死亡率増加のデータは、厚生労働省の人口動態統計ですから、指摘を受けたら厚労省が自らのデータを分析して見解と対策をまとめるべきもの。「個々の論文の評価についてはコメントしない」と言って傍観していては厚生労働省の職務を放棄することになります。前々回の交渉では医学博士の肩書きを持つ専門官が出席し、「関心を持って見ている」と答えていたので、改めて「関心を持っているなら自ら調査してください」と要求します。

 また今回新たに、除染労働者の放射線障害防止規則「除染電離則」の運用と監督に問題を取り上げます。例えば高汚染地域や高粉塵の除染作業では、防塵マスクの着用や休憩場所の条件が定められていますが、私たちが訪問した除染作業の現場では、これが守られているのか疑問な場面に出会いました。

 除染電離則を定め、監督するべき厚労省に、除染作業現場の実態の一端を伝えて、見解を求めます。
 
 ぜひご参加ください。

連絡先:小山潔 070-5653-7886
        nobiscum@wb4.so-net.ne.jp

なお、手元に署名をお持ちの方は、当日に持参していただくか、あらかじめ以下の住所に郵送してください。

〒536-0016 大阪市城東区蒲生1-6-21 LAGセンター内
放射能健診100万人署名運動全国実行委員会・
小山 潔あて

・3/27(月)11:00~12:00 

・参議院議員会館B109(10:40に参議院議員会館ロビーに集まってください)」

小山 070-5653-7886

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